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気まずい空気が流れる中
先に沈黙を破ったのは裕翔だった
「 山ちゃん、はさ
抱けるなら誰でもいいの? 」
誰でもいいわけぢやない。
本当は裕翔を大切にしたい
裕翔に触れたい
その肩を、指を、口を、
身体全部を俺でいっぱいに
してやりたい
だけどへたれな俺は
そんなこと言えるはずもなくて
「 うん、抱けるなら
誰だっていんだよ。
所詮男なんてそんなもんだろ 」
つい思ってもいない事を
口に出してしまう
「 もうやめてよ、山ちゃん。
そんなの悲しいだけだよ 」
「 あのさ、裕翔。
それは綺麗事ってんだよ
なら、なに?
女抱くのやめたら裕翔が
相手してくれんの? 」
やめろ、こんなことを
言いたいんぢゃない
大事な裕翔をこの手で
傷つけるな、
とまれ、止まるんだよ
「 僕でいいなら
僕はいつでも相手になるよ? 」
瞳に涙を溜めながら
言う裕翔に胸が締め付けられた
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