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司令室の前に聳え立つ大きな扉に手をかける。
ギ、ギ、と金具の軋む音と共にゆっくりとそれは開いていった。
「…失礼します。」
重い空気と薄暗いあかりが灯る室内で
レニが頭を下げる。
彼の視線の先にいた人物は若干不機嫌そうに灰色の瞳を細めた。
「偉く遅かったな、レニエラ?」
「すみません。以後気をつけます‥。」
何故か視線を合わせないレニに司令官、シフが目を細める。
「あれか…迷子。」
「…ぅ、」
レニの視線が若干泳いだのをみて
シフは浅くため息をついた。
「…まぁいい。任務までにソレ治しとけ。で、本題に入るが…」
シフが一枚の紙をデスクに置いた。
それはレニが資料室で見つけたファイルと同じ物で、
載せられていたのは隊員の顔写真と情報だった。
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