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「どうせ退屈だからさ聞いてたんだ♪」
「…おい」
「盗み聞きじゃないよ?だって堂々と聞いてたもん!ドアの前で仁王立ちしてね~。ふふっ♪」
「…おい!」
「でさ、レニ君が本当に組みたいのってだあれ?あれ、もしかして-」
「オイ!!!!」
早口にまくしたてるアイのセリフをはちきれんばかりのシフの怒声がかき消した。
その声にアイはシフをちらりと見やり、片耳を塞いだまま少し困ったように目尻を下げた。
「やだ…あんまり怒ると血管切れちゃうよシフ兄…」
「誰のせいだと思ってるんだ!どこから湧いて出た!」
「どこでもー♪私はレニ君を此処まで案内しただけだもん。」
ひらりとデスクに乗り上げてにっこりと笑みを零すアイ。
彼女を睨むシフのこめかみには青筋が浮かんでいる。
一方、一人状況が判断できず、レニはポカンとしたまま二人を見つめていた。
二人にはどんな関係があるのかいまいち掴めない。
「まあまあ!それは置いといてさ‥」
やがて彼の視線から逃れるように彼女が話を持ちかけた。
アイの真っ直ぐで丸い瞳がレニをうつす。
「レニ君は何が言いたかったのかな…?」
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