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「ごめんね、美穂ちゃん。
まだ子供だから大目にみてやって。」
シッシッと手のひらを振ってシュン君を追いやると、裕子さんは申し訳なさそうな顔をする。
「ううん。
凄い洞察力。
シュン君って幾つでしたっけ。」
「19よ。
呑気な大学生。
…凄い洞察力って、美穂ちゃん何か悩んでるの?」
「……。」
一瞬沈黙した私に、裕子さんは慌てたように言葉を続けた。
「ごめんなさいね。
立ち入った事…。」
そんな裕子さんに、私もまた慌てて首を振る。
「ううん!
裕子さんに聞いて欲しいかも。」
不意に湧き上がった気持ちに、私は自分が思っている以上に悩んでいる事を感じていた。
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