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「………」 「………」 無言の連続。 めっちゃ気まずい。 時よ、早く過ぎ去れ。 「じゃあ……」 いつの間にかデザートを終えた雪江が、スプーンを置く。 その小さな音に、びくっとした。 「…あぁ。」 もう席を立とうとしている雪江を、今更、キレイだな、と感じた。 これで終わり。 彼女が店をでたら終わり。 分かっていることなのに、再確認している自分がいる。 「…あのね、俊。」 バックをとろうとした雪江がふと手を止めた。 「ん?」 「私、俊のこと、好きだった…うぅん、今も好きだから。」 矛盾した別れの挨拶。 別れを切り出したのが自分であることも忘れたセリフ。 .
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