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バカだな…
なんで泣きそうな顔してんだよ。
そして、何もできない俺もバカ。
「知ってた…じゃなくて、知ってる、か。」
無理に笑顔を作った雪江は軽く頷いた。
カツ、カツ……
カラン。
ぼやける頭でヒールの音とドアのベルが鳴るのが遠くで聞こえた。
俺はわざと視線を背けたままでいた。
なぜか見てはいけないような気がしたから。
これ以上、傷つくことを俺の悩は受け付けなかった。
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