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ドアを開けると、冷たい風が全身に吹き付けてくる。 「さっみ。」 バーバリーのマフラーのすき間からくる風が首もとを余計にくすぐる。 街は、お正月気分をようやく抜け出したようで、再びせわしく動いていた。 家から約10分。 一軒の洒落たフランス風のレストランにたどり着く。 カランコロン。 「いらっしゃいませ。」 店員が近づいて来た。 「1名様でよろしいでしょうか。」 店内を見回すと、雪江はまだいなかった。 「えーと、あとで連れがきますんで…」 「かしこまりました。では、あちらの席へどうぞ。」 案内された席は1番奥の2人席。 .
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