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ひとまず、ワインを頼む。 店内には、優雅なクラッシックが流れていた。 この店は、雰囲気が良いか、カップルに人気だ。 気遣いの届いた暗めの照明に、ムードの行き届いた建築。 何より、近いようで何かに隔たれているようなテーブルの距離がほど好い。 これなら回りに聞かれる心配をせずとも話ができる。 誰が設計した造りなんだろう… きっと腕のよい奴なんだろーな。 …ぅわっ、なに俺、評論家ぶってんの。 ちょっと焦って、ワインを口に含んで冷静さを取り戻そうとする。 雪江、遅くない? なにしてんだか。 あれこれ考えてる内に、もうすでに約束の時間を10分も過ぎていた。 .
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