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カラン… ちょうどその時、店に一人の女が入って来た。 ブルーのワンピースにハイヒール。 化粧は控えめだが、逆に彼女の美しさを引き立たせていた。 俺は軽く手を挙げると、女はこちらに向かってきた。 滑らかなストレートの髪が彼女のステップに合わせて揺れる。 「ごめんね、遅くなっちゃった。」 「ぃや、大丈夫。」 雪江は俺の向かい側に腰掛けると、少し無理したようにはにかんだ。 「なんか頼む?」 「んーとね、デザートだけでいいや。」 そう言いつつ、雪江はメニューの「グレープシャーベット」を指差す。 「俊は?頼む?」 「あー、俺はいいや。酒、あるし。」 .
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