3人が本棚に入れています
本棚に追加
カラン…
ちょうどその時、店に一人の女が入って来た。
ブルーのワンピースにハイヒール。
化粧は控えめだが、逆に彼女の美しさを引き立たせていた。
俺は軽く手を挙げると、女はこちらに向かってきた。
滑らかなストレートの髪が彼女のステップに合わせて揺れる。
「ごめんね、遅くなっちゃった。」
「ぃや、大丈夫。」
雪江は俺の向かい側に腰掛けると、少し無理したようにはにかんだ。
「なんか頼む?」
「んーとね、デザートだけでいいや。」
そう言いつつ、雪江はメニューの「グレープシャーベット」を指差す。
「俊は?頼む?」
「あー、俺はいいや。酒、あるし。」
.
最初のコメントを投稿しよう!