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瀬戸麻美は、玄関のドアを開けた。
昼下がりの光が心地好い。
歩き始める。
遠目に見える山には、びっしりと緑が覆い茂る。
強い風に煽られ、一斉に騒めく様は、まるで、緑色の炎を纏ったようである。
静かな町並み。
犬の散歩、主婦の会話、走る自転車・・、閑かな風景だ。
都会の喧騒から離れているとはいえ、電車で20分程揺れれば、高いビルが見え始める。
人影疎らな路地を歩く。
色白の肌。
細い顔。
くっきりとした目鼻立ち。
薄いメイク。
セミロングの髪は、軽くカールしている。
チョコレートブラウンの髪色が、太陽光によって赤みが増して見える。
すらりとした体つきに、サンドベージュのワンピースが、よく栄える。
裾からは、膝が見え隠れする。
綿を基調にし、セルロース系の繊維を織り込んだ生地は、歩く度に、しっとりとしたドレープ感が漂う。
胸の膨らみ辺りに、三つの花弁をデザインしたラインストーンが施してある。
ラインストーンの直径は五ミリ程度だが、それが、百個以上ちりばめられれば、実に、きらびやかである。
具体的に何の花弁かは特定しずらいが、誰が見ても漠然と花弁だと分かる。
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