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ロミオ×ジュリエット
あの日私はあなたに出会った。
これはきっと運命なんだ。
そう信じてた。
毎日窓の下から私の名前を叫ぶあなた。
いつか連れ出して、二人で幸せになるって。
だけど結局、上手くいかなかった。
あなたは毒を飲み、今は体だけを私の膝元に残し、逝ってしまった。
だけどあなたは一つ、死ぬ術を残してくれた。
腰に差した短剣。
両手で握り締め、首元に切っ先をあてる。
…だけど。
まだ死ねない。
あなたと生きたかったこの世界がまだ愛しいから。
私はあなたと、あなたが生きたこの世界を愛したい。
理由は一つ。
ただ、死ぬのが怖いから。
この世界が愛しいなんて、言い訳に過ぎない。
ごめんなさい、ロミオ。
私の愛は、死までは越えられなかった。
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