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「にしても変わった格好だね…京の人?」
「あれ、私なんで外に…あの光は…みんな着物?
―…あの、祭りか何かあるんですか?此処は何処ですか?」
「……何を勘違いしているのかは知らないけど、着物を着ているのは普通だし祭りも何も無いし此処は京だけど…?
もしかして頭でも打った?」
青年の話を聞けば心の中で
時代劇かと突っ込みを入れるが
ふと、前に読んだ小説にあった
"タイムスリップ"という言葉が
頭に浮かぶ。
「あ、の…一ついいですか?
今は平成ですよね?」
「へい…、せい?何それ?」
「―…あの!じゃあ…今は何年ですか?」
「今は文久3年だけど…君もしかして記憶が無いの?」
「文…久三、年?」
ふと冷静になり
もう一度相手の顔を
見詰めればその人物は
教科書等で見た
【沖田総司】なのだと気が付く。
もう非常識な事ばかりが
続いていて慌てる事も
出来なくなっていて
無駄に冷静だった
幸いにも沖田総司だと
思われる人物は
自分は記憶喪失だと
勘違いしている。
―…これは使える…
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