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意識を手放した後夢を見た
母親とのあの日々…―
思い出すだけで
心臓を鷲掴みされたくらいに
苦しくなってしまう。
「―…ぇ、…うぶ?…ね…」
何処か遠くから聞き慣れない
声が聞こえてくると同時に
段々と意識が戻ってくる…―
「ん…んん、」
ゆっくりと瞼を開ければ
目を軽く擦りつつ欠伸を溢せば
ひんやりとした風が頬に触れる…
「ねぇ、僕が必死に起こして
あげてるのに何その態度…―」
声の主の方を驚いた様に
見詰めれば顔は整っていて
微笑みを浮かべているが
目は笑っていない…
―…必死に起こして…?
「え?私寝て…?っ、寒…」
その青年の言葉の意味が
解らず首をかしげるが強い風が
吹き此処は外なのだと解った
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