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「そうだよぉ。この黄色いのはたんぽぽでぇ、ここにいる人は僕だよ」
すごく幼い時だからこんな絵はうまい方。
とってもとっても嬉しい。
「これっ、ほしいっ!!」
「じゃあ、あげる。でも条件がある」
「条件?」
「そう。今からその条件を言う。よく聞けよう!」
ケラケラッと笑った。
と思ったら急に見たこともない真面目な顔になってちょっと怖かった。
これから何を言われるかなんて考えもしないくらい軽く考えてたの…
「条件っていうのわぁ……愛菜、僕…引っ越すんだ」
咲真君の一言で頭が真っ白になる。 考えられない…
「へへっ咲真君変な嘘やめてよね」
「こんな時に僕は嘘つかない」
嘘……嘘…で…しょ?
一気に涙がこぼれる。
「いやあ゙っ…グスッ…うぇええん」
こらえられる訳ないよ。
「だから最後まで話聞いて」
いつもの優しい目。
でも今日だけはその目の奥が悲しみで包まれていた。
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