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「ジュン子、初詣行こうか。」
「え?今から?」
1月3日。
あたしは彼氏の家でゴロゴロしていた。
「おう。準備しぃや。」
「え?どこまで行くの?」
「家の近所。」
「近所?どのくらい?」
「えっと…5、6時間?」
「遠っ!近所じゃないじゃん!」
「俺の実家、の近所。」
「実家っ!?」
「声デカい。」
突然の小旅行決定。
必要なモノは向こうで買うたらええやん。
という言葉で、あたしは財布と小さめのカバンだけを持って慌ただしく彼の、寺栄ヒロさんの、家を出た。
家を出てから1時間弱。そして新幹線でギュンギュン飛ばすこと2時間くらい。そこから電車を乗り継ぎ2時間くらい。んで、そっからバスで20分程。
前々から田舎だ田舎だとは聞いていたけど…
まぁ見事に田んぼばかり。
時々思い出したかのように畑の中に民家がチラホラ。
へぇ…。
この町が、ヒロさんを育てた町なんだ…。
ヒロさん、ここに住んでたんだ。
…。
ならもっと、おっとりした性格してても良さそうなのに。
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