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「何誓った?」
「やややや!秘密です!ヒロさんは何か誓ったの?」
「ん。まぁな。」
「ナニナニナニ?」
「さぁて、帰るかぁ。」
「うっわー。分かりやすく誤魔化したー。」
ぐぐぐっと、わざとらしくヒロさんは背伸びをすると、ニヤリと笑って歩き出した。それにあたしもついていく。
あたしの今年の目標。
もうちょい女の子らしくなる事。
…。
まぁ、出来る範囲で。
無理は体に良くないよね。
それでも、ヒロさんに嫌われないようにしなきゃ!
社の中から外へ出ると、少し前を歩いてヒロさんが、こちらに体を向けて上の方を見ていた。
「何見てんの?」
「…んー?」
あたしはジャリジャリと境内を歩いて、ヒロさんの横に立ち、同じように視線を上げてみた。
特に、珍しい物は見当たらないけど…?
「…何か見える?」
「あー…いや、昔さ、毎年正月に初詣来たら、帰りに家族でここに並んで写真撮ったなぁ…って思って…。」
「あぁ、良いねぇ。」
「んで、その写真を来年の年賀状に使ったりしててん。」
「わぁ!凄い良いじゃないですか!」
「最近やってへんなぁ…って思ってさ…。」
「そっかぁ…。」
「…ジュン子。」
「ん?」
「写真撮ろか?」
「お!良いよ!撮ろう撮ろう!」
「よし、じゃ、ここ立ってて。」
「え?ソロ?」
「うん…デジカメ無いから携帯な…じゃ、いくでー?」
「ちょ、ちょっと待って!髪の毛が…!」
「なんともなってないって。はい、笑って~。」
「…………よし、いいよ!」
「笑顔笑顔。」
「分かってるって!」
「…………。なんか表情固いな…。もっと自然にならん?」
「ちょ、話掛けないで…笑顔つくってんのに!」
「…ふぅん。」
「…。」
「…。」
「…。」
「…。」
「…ヒロさん…早く…口がひきつる…。」
「…なぁジュン子。」
「…何!?」
「結婚しやん?」
「ぉえ?」カシャ
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