老衰の国

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仕事のえり好みが出来ないと気が付いたのは、失業して半年が過ぎた頃だった。

職業安定所に通い、募集企業に片っ端から応募する毎日が始まった。

それでも、再就職は困難を極めた。それから半年。

毎日、職業安定所に通い、企業からの募集かないか確認する毎日が続いた。

失業保険は先月切れた。
住んでいるアパートの家賃はもう4か月も払っていない。いつ追い出されてもおかしくない。

財布の中にある現金4万円ばかり、それが彼の全財産だった。