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第一章 毀誉褒貶
5人が入れられたのは、まるで受刑者が入るような独房。
ただ違うのは、能力の使用を一時的に封じるブレスレットをつけられ、そのブレスレットが鎖で鉄格子に繋がれていること。
5人はそれぞれ一人一部屋。
91110の右隣りの独房に細目の少年、左隣りには蒼髪の少女。
目の前の独房には赤髪の少女、その右隣りに両手の無い少年。
両手のない少年は脚にブレスレットがついていた。
23333「--っ、何なんだ!?」
赤髪の少女が壁を横殴りに叩いた。
23333「意味分かんねぇ!?眼が覚めたらここに居て、「勝ち組だ」とか何とか突然言われて!それなのにこんな所に押し入れやがって…!」
激しく怒りを滲み出している。
22201「そうね…確かに、そこの子が言う通りね。これでは勝ち組と言うより負け組ね」
蒼髪の少女がよく通る声で呟く。
3256K「眼が覚める前の事、何にも覚えてないもんね」
細目の少年も鉄格子に手をかけながら言う。
23333「クソが…!」
赤髪の少女は再び壁を殴る。
23333「あの女、後で殺してやる…」
3156K「でもあの人に聞かなきゃ何もわかんないよ?」
91110「塔子…って人か…何かバカみたいに一人で盛り上がってたが」
91110も話に混ざる。
23333「知るかよ!この私をこんな扱いするヤツなんて、さっさと死ねばいい!」
3156K「じゃあ僕らの眼を覚ます前の事が分からないじゃないか」
22201「私達の過去が分からなくなるのは困る」
23333「そんなのもうどうでもいいだろ!?」
91110「よくないだろ?」
23333「どうでもいいって言ってるだろ!?てめーバカか?一遍死ねよ!!」
赤髪の少女が大声をあげ、周りに当たり始めた時だった。
S56666「静かにしろ」
両手のない少年がぽそり、と口を開いた。
決して大きな声ではない。
しかし、低く、通る声。
一斉に4人は視線を両手の無い少年に向ける。
一方の両手のない少年は壁に寄り掛かりながら座っており、明後日の方向を見ている。
23333「何?何か文句あんの?」
赤髪の少女が突っ掛かる。
S56666「今何をどう叫んでも無意味だ。今やるべき事は他にある」
22201「確かに」
蒼髪の少女が相槌を打つ。
22201「今何を言っても無駄ね」
23333「……っ…!」
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