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赤髪の少女も、よく考えると無駄であることに気付く。
歯を食いしばりながら鉄格子を握りしめた。
91110「じゃあ、どうすればいい?」
3156K「とりあえず自己紹介、ってのはダメかな?」
細目をさらに細くして少年が提案する。
22201「そうしたいのは山々なんだけど、私達、記憶がないのよ?自分の名前が分からないのにどうやって…?」
3156K「あ、そうか…」
少年は肩をすくめる。
91110「あんたには何か考えがあるのか?」
S56666「今の時点では我々は「同じ」運命を背負っている、としか言えない。お互い協力していくしかないと考えた。だからそこの女みたいな感情を撒き散らす言動はなるべく控えて頂きたい。我々とて同じ気持ちを持っているはずだ」
22201「…いいわね?」
23333「……ケッ」
赤髪の少女はそっぽを向いた。
塔子「お待たせ。準備が出来たわ」
塔子が階段を駆け降りて来た。
赤髪の少女は殺意に満ちた眼で睨んだが、再びそっぽを向く。
91110達はブレスレットをつけたままだが、鎖を外し、塔子の後ろをついていった。
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5人は二トントラックの荷台に乗り込まされた。
塔子が全員を乗せたあと、外で頭を下げた。
その前を一人の男が歩いてくる。
トラックの荷台の前に立つと、男が口を開いた。
薫「君達は人類初の人口特殊能力者だ。おめでとう。早速で済まないが、今、日本はFEAから襲撃を受けている。関東地区に到達されると、敗戦は必至だ。君達の力で、我々を助けて欲しい。期待している」
薫はそう言うと、その場を塔子に任せる。
塔子「場所は東北の福島国。今、軍の前線は猪苗代。関東地区到達は時間の問題よ。頑張って頂戴」
塔子がそう言うと、トラックの荷台は閉じ、エンジンが唸りをあげた。
出発。
猪苗代に向けて、トラックが走り始めた。
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荷台の中は真っ暗で何も見えない。
23333「この服…何でこれに着替えたんだ?」
23333が呟く。
しかし、呟きにしては大きい声である。
3156K「そうだね…僕ら、何しに行くんだろ?戦場っぽかったけど、まさか僕らが闘う訳じゃないよね?子供だもん」
細目の少年の声がした。
S56666「いや、分からない。我々は特殊能力者…ヒーローなのだろう?」
その一言に全員が黙り込む。
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