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--ヴン…
突然の電子音。
運転席側の壁にあったモニターが点いた。
塔子「これから話す事があるんだけど、聞こえる?」
23333「聞こえる」
赤髪の少女がぶっきらぼうに答える。
塔子「今、他の各部隊から援軍要請があったの。あなたたちはヒーローだからね」
塔子は赤髪の少女を気にせず続ける。
塔子「それで、配置に変更があるの。一人づつ各地点に下ろすことになったわ。特に誰から、っていうのは無いから適当に順番、決めといてね。以上」
それだけ言うと、モニターの電源が落ちた。
23333「……本っ当にムカつく」
少女は吐き捨てる様に言う。
91110「…で、どうする?」
23333「あんたからでいいじゃん。出口近いし」
即答。
22201「まぁ、私もそれに賛成。何処がどうって訳じゃないし、出口に近い順に下りていいんじゃない?」
91110「うわ~、トップバッターかよ…」
91110は頭を抱える。
23333「文句あんの?」
91110「いや、無いけどさぁ…」
その瞬間、トラックが止まった。
91110「じゃ、行ってくるよ」
出口が開き、光が射す。
暗闇に眼が慣れていたため、眩しいことこの上ない。
3156K「行ってらっしゃい!」
22201「気をつけてね」
S56666「…また会おう」
91110は笑いながら、手を振り、トラックから下りた。
---
出口が閉まり、再び暗闇に染まったトラックの中。
22201「…次は私ね」
蒼髪の少女が確認するように言う。
3156K「その次は僕かぁ~」
22201「短い間だったけど…一人になるのが寂しく感じるわ」
3156K「そうだね…」
23333「まだ分からないのに勝手に死亡フラグ立てないでよね。縁起悪い」
3156K「ちょ、そんな事言わないであげてよ」
23333「フン、永遠の別れになるか、それはそれぞれ。でも、私達は同じ運命を背負ってるんだろ?」
少女は一人黙り込む少年を見る。
23333「だったら嫌でもまた会える。同じ運命だからな」
トラックが止まった。
22201「珍しくいいこと言うじゃない」
赤髪の少女は照れ隠しかかは分からないが、そっぽを向く。
蒼髪の少女は立ち上がった。
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