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―プロローグ―
少女とその子は仲良しだった
少女は貴族
その子は平民
だから隠れて遊んでた
だけどそれが見つかって、その子は斬られてしまったの
その子は叫んだ
その子は哭いた
少女も続いて斬られてしまった
けれど少女は叫ばなかった
けれど少女は哭かなかった
「ねえ?」
少女は言った
「どうしてその子は哭いているの?」
少女の隣で男が言った
「それはその子が痛みに慣れてないからだよ。ほらっ」
男は少女に剣を渡した
「これでその子を刺してごらん。そしたらきっと泣き止むよ」
少女の血が滴った真っ赤な剣
少女はそれでその子を刺した
その子の為に何回も何回も刺した
するとその子は泣き止んだ
「よかった。やっと痛みに慣れたのね。これであなたはもう哭かなくてもいいの。また一緒に遊べるわ」
その子は話さない
「どうしたの?」
返事のないその子はもう二度と笑うことはなかった
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