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気が付いたら保健室にいた。
「大丈夫かよ」
傍らには親友である竜貴が立っていた。
「あれ?君は?」
「まさかお前、記憶を失ったのか…?」
「すまない、全く覚えてない」
「そうか、残念だ。お前が俺の事覚えていれば今頃俺のおごりでラーメンを」
「そんな嘘ついたって無駄だぜ」
「何で記憶ないのに嘘だって分かるんだ?」
「あっ…」
「お前は馬鹿か!」
二人の笑い声が保健室に響いた
その後で事情を聞くと、僕は終業式中にぶっ倒れたらしい。
そして担架で運ばれ、今に至ったのだと言う。
「結構大変だったんだぜ?」
竜貴が言った。
「悪かったな。朝から頭痛くてよ」
「じゃあ来るなよ!学校休めよ!」
「一応2学期の締めくくりだし、来なきゃって思ってよ」
「お前のそういうところ、いいと思うが無理はするもんじゃない」
「そうだな。今日は帰ってゆっくり休むことにするよ」
「そうしろ」
二人はカバンを持って保健室を出た。
一方、樹梨
まずい、筆箱学校に置き忘れてた。
美穂にメールしてもうちょっとだけ待ってもらおう。
「学校に筆箱取りに行ってくるからもうちょい待って!」
返事が来た。
「はいはい了解。気をつけて行ってきなよ。樹梨ドジなんだから」
「もう、分かってるよ。じゃあゴメン、待ってて」
ケータイを放り投げ、家を出た。
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