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 1LDKのリビングにあたる8畳半の畳部屋は、先月の1月に成人式を迎え20歳になったばかりの男女が生活するにはあまり充分な広さとは言えない。 せめて眠る時くらいは、この8畳半の空間をいっぱいに使えばいいのだが、僕とサヨコは畳部屋に似合うように、窮屈な一枚の布団を敷いて眠る。誰にも邪魔されない、二人だけの日課を毎日守っているのだ。  この場所で時々抱きあって熱く身体を火照てらせたり、訳もなく些細な喧嘩をして背中を背けたりしている。 どれにもあてはまらない寂しさが訪れた時も、一緒にいるという互いの存在を無言で共有することで、僕たちはまったく肩書きのない人間同士になり、安定を保つ。  
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