生まれてから

2/5
前へ
/20ページ
次へ
母は父方の祖父母と同居を始めた。 祖母は遊び人の母を酷く嫌い、その子供も私も嫌いで邪魔であったようだ。 生まれて間もない頃から、祖母に風呂桶に沈められた。 苦しい苦しい。 俺は生きてるんだ、当たり前なんだ。 苦しくて。 祖父か母が毎回気付いて止めてくれた。 それで一命は取り留めている。 祖父は優しい人だった。 何を描いても美佳は絵が旨いねと誉めた。 現にその時、俺は美佳ではなかったが。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

50人が本棚に入れています
本棚に追加