一章

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城門をでると一本の広く太い道があった。その道の先、一キロメートルぐらいまろうか、そこに青年の後ろにそびえ立つ、城壁のようなものが見えた。 なるほど、と青年は思う。どうやらこの街は大きな壁に囲まれているらしい。 戦争のために街全体を囲んでいるのか、それとも他に別の理由が。 とにかく、この大きな道の先の壁を超えれば街からでれるはずだ。その時、静かだった城内から喧騒が溢れた。 どうやら青年を探し出し、捕まえようと躍起になっているらしい。 幸い目の前のこの道を歩く人達は多くない。ちらほら人が歩いているだけだ。走って人が邪魔になることもないだろう。 青年はすぐに走り出した。そのスピードは凄まじい。馬を超え、風になった気がした。
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