一章

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青年は目が覚めた。気絶していたのか、眠っていのか分からなかったがとりあえず体を起こし、周りを見回す。 「何この光景......」 周りを確認した青年は目を疑った。兵士が自分を囲んでいるのだ。ざっと見ても20人はいるだろう。 その全てが甲冑を纏い片手に槍をもっている。 兵士が体を動かすだけでジャラジャラと金属のかすれる音が響き、その甲冑が本物だと認識させられる。 その兵士の中に一人だけ巫女の服を着た少女が立っていた。 「......あの、ここどこですか? 俺黒い変なのに襲われたんです......けど」 この目の前にいる兵士と巫女に聞いても分かるはずないと思ったが、それでも聞かずにいられない。 巫女の服を着た少女が前に進み出てきた。 「私の名前はミーファといいます。アルシア王国の召喚の巫女です。あの黒い塊を使って、貴方を勇者として召喚しました」 思わず頭痛がした。この巫女は頭がおかしいらしい。青年は苦笑するしかない。
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