一章

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「............何がおかしい」 「いえ、勇者様が拒むのはもっともです。私達もそう思い通りになるとはおもっていません。ただ、それなら方法を変えるまで」 ミーファの青年を見る翠色の目が鋭くなった。 「ここには20の兵がいます」 「俺を捕らえると?」 青年の周りの兵が右手にもつ槍を両手で握りはじめる。 「その通りです」 ミーファが言った瞬間、青年は素早く動いた。右手に力を込め爪先まで伸ばす。 そして、ミーファの喉めがけて右手を突き出した。殺すことを前提とした一撃だ。 鋭く繰り出された一撃をミーファは首を捻ることでかわす。これは青年にとって予想外だった。まさか少女にこんなに余裕をもってかわされるとは思わなかったのだ。 目の前にいるこのミーファという少女。自分を異世界に召喚し、さらには力付くで自分を利用するらしい。あまりにも自分勝手で愚かだ。 (............俺を召喚したことを後悔させてやるよ!)
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