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全ての終わりを防ぐ程の人なら、もっと
こう……
「覇気というか……
あっても良くないですか?」
あまりにも普通というか……
「記憶が無いのも気になる」
ユノヒョンが、ふぅっと息を吐く
「記憶が無くてなぜ、あんなに
普通なんだ?」
もっと不安に駆られても
良さそうなものなのに……
「消えた過去に、理由が
あるかもしれませんね?」
「例えば?」
「そうですねぇ……」
ほら、記憶が無くても、体が
覚えてたりするじゃないですか……
「ここに以前、来た事がある……とか?」
「俺は見た事無いけどなぁ……」
チャンミンの考えに、ふに落ちない
ユノヒョン
「で、これからどうする?」
「僕達が探している者なら
留まらせないと……」
「違うなら早く、記憶を消して
帰した方が良い」
分かんないな……
「あの……」
「ぅわっ??」
「皆さん、難しい顔して
どうなさったんですか?」
「あ……」
「ちょっと、問題があって」
「?」
「俺達まともな物食べないから、貴方に
出す食事が無いんです」
ユノヒョンのナイスフォローに一先ず
助かるか?
「そんな事……大丈夫ですよ?
何だかお腹、減ってなくて」
それより……
「私、貴方と会った事がある気がします」
と、ユノヒョンに向き直る
「俺と?」
「はい……
それか、貴方にそっくりな人」
雰囲気が、凄く懐かしい
「落ち着く」
何故かは分からないけれど……
「……隣……どうぞ?」
ユノヒョンが優しく手を引いて、隣に
座らせる
こう見たら凄く可愛い
さっきのワンピースは、森の泥と、俺に
付いてた血で汚れてしまい、新しい服に
着替えている
ユノヒョンが選んだらしいワンピースを
身に纏っている
ベージュのハイネックノースリーブの
少し大人なフォルム
ユノヒョンが好きそうな感じだ
長い黒髪に、白い肌、大きな瞳は
チャンミン顔負け
すっと通った鼻に、ぽてっとした桃色の
唇
お風呂上がり特有の上気した頬
やべぇ……普通に可愛い
「俺にも沢山、同族がいるから
もしかしたらそいつ等に会った事が
あるのかもしれないね?」
「そうですか……」
「あの……僕も隣いいですか?」
チャンミンが、珍しくもじもじしてる
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