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まさか……??
ユノヒョンも、不思議そうな
顔をしている
「僕、貴方に会った事がある気がします」
「私に……ですか?」
「……幼い頃、川で遊んでて……」
流されそうになった時に、貴方に
助けられた気がします
「人違いでしょう?」
「そうですか?」
「だって……貴方が幼かったら……」
私、もっと小さいですよ??
一瞬、しまったって顔をしたチャンミン
容姿が同年代でも、俺達は年が全然違う
俺は500年程
チャンミンは120年程
ユノヒョンはなんと、1300年程
それぞれ生きてきた
でも、みんな自分の種族の中じゃ
まだまだひよっこだ
だから見た目上同い年でも
ユノヒョンがチャンミンの命を
救うという事が、可能になる
チャンミンは同じ感覚で
質問してしまった
「ふふっ……確かにそうですね?」
人違いですね
安堵の表情
「大分……夜も更けましたね?」
窓から星が見える
―キラキラ光る―
透明な歌声
―お空の星よ―
夜空に響き渡る、でも鋭くない
優しい歌声
―まばたきしては―
ゆっくり、時間を掛けて
―みんなを見てる―
最後まで歌った彼女
「……星なら……分かるのかな……」
私が誰なのか……
ぽつりと吐き出された言葉
不安なんだ、彼女は
一人、大きすぎる世界に
放り出されて……
自分すら確かなものに出来ずに……
急に抱き締めたくなった
でも、ユノヒョンに先を越された
そっと、壊れ物を扱うように抱き締めた
ユノヒョン
「……泣いてもいいよ」
「いいえ、泣きません」
「泣いて」
そうでないと、俺が泣きそうだ
「……泣けません」
これ以上、困らす事は出来ません
「……困らないよ?」
ほら……見えないように、貸したげる
そう言って、ユノヒョンは前から
抱き締める
「助けて……」
怖い……
誰か教えて……
肩を震わせ、悲痛なまでの叫び
思わず涙が零れた
何が、誰が、どうして?
記憶を奪った?
少しして、啜り泣きがおさまった
「……ふふっ」
ユノヒョンが微笑む
「寝てる」
そのままベッドに寝かせるユノヒョン
「俺達も寝よう?」
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