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この街はいつも夕陽が綺麗だ。
真っ赤な太陽、その光に照らされる雲や街並み。
空き教室の窓から、僕は絵筆を走らせながらそれを眺める。
キャンバスには、同じく真っ赤な太陽が描かれていたが、窓から見る景色とは大きく違っていた。
"黒色"が無いから、当然だ。
窓から見る景色は光と影がはっきりと別れているのに、僕の絵ははっきり言って光しかない。
他人から見れば明らかに不完全な絵だけど、僕からすれば、これ以上にない素晴らしい出来だと言ってもいい。
理由はもちろん、黒の絵具が無かったというわけじゃない。
僕には残念な"魔法"があった。
そのせいで、僕は黒が使えない。
正確には絵具、鉛筆、ボールペン等の書く物に限定されている。
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