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悶々としたまま授業を受け、帰りのHRを過ごした後。
俺は大樹を捕まえて教室に残らせた。
「考えたんだけど……」
「なに、さっきの現状をどうにかしたいって話?」
力強く頷けば、盛大な溜め息を吐き出すことで俺へのささやかな不満を表す。
それでも「で?」と目で促してくれる親友に握り拳を作る。
「俺が今のままじゃダメなんかもしれないと思うんだ」
「ふんふん、何で?」
「だって急に彼氏面なんてしたら、千倉だって不審がって当然だろ?……その、」
「ああ、千倉には散々情けないところ見せてるもんなお前」
言いにくいことをズバッと言ってのけやがる大樹を一睨みし。
けれど全くその通りだから否定できないので咳払いで誤魔化す。
「とにかく、今のままの俺じゃ頼りがいも何もあったもんじゃないのは……悔しいことに確かなワケだ」
「だからまず自分を変える、と?」
「その通り!」
ぐっと身を乗り出し、握り拳を机に叩き付ける。
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