―a Bolt from the Blue―

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 「あおい!!」 もはや懐かしい、光の声。 あおいは顔を上げた。 「光……!」  目の前には四年ほど前とさほど変わらない光の姿がある。 どことなく主婦っぽい雰囲気もそのままだ。  しかし懐かしんでいる暇はない。 あおいは真剣な顔をした。 「よかった、今、どこに居るのか訊こうとしたの。じゃあ行こう、羽田に」  羽田空港までの電車の中、時間がまるで止まっている様にゆっくりと流れていた。 きっと焦っているからそう感じるだけなのだが、こうしている間に桃に何かあったらと考えると嫌な汗が滲む。 それが光にも伝わったのだろう。 光はあおいの気を紛らわせようと話しかけた。  「あおい、学校はどう?」 「うん、まあ……、普通。光は学校は行ってるの?」 Black・Angelの四人は若いが、結局のところプロだ。 あおいよりずっと長く、この仕事をしている。 だから高校に行く必要なんてない。 しかし、光は。  「行ってるよ。あたしと由来はね。魅流と連珠は行ってない」 「そうなんだ!」
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