―a Bolt from the Blue―

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 こうして話すと、改めて何も知らないことを実感する。 四年間は長かった。 Black・Angelとして五人で活動した時間の比ではない。  あおいは静かに口を開いた。 「……仕事は、どうしてたの?」 光は暫くあおいを見て、表情を和らげた。 「みんなバラバラだよ。会いもしなかった」  Black・Angelは表向き、完全に消滅していた。 たった半年程度、活動をしていた伝説のチーム。 本当は、幻だったみたいに。 「そっか」  羽田空港が近付くと二人の雰囲気は変わった。 「しかしあおいも大変だね。こんなことになるなんて」  光は、中谷家がSSCの経営をしているから桃が攫われたのだろうと考えていた。 あおいもそう思う。 だが、命に関わる情報がそう易々と漏れるとは考えられない。 一体どこから……? どう管理しても情報が漏れる可能性は0にはならないということなのか。
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