―a Bolt from the Blue―

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 「どうする、あおい。空港にはうじゃうじゃ人が居るでしょ? 被害は最小限に、出来れば誰にも気付かれないように桃ちゃんを取り返さなきゃ」  運が悪い。 今日は金曜日で平日だが、明日からは三連休だ。 その影響で空港は金曜日の今日も通常より混雑していることが予想される。  「相手は武器を持っているよね。下手したら、桃が危ない……」  桃はどういう状況なのだろう。 脅されて動いているのだろうか。 それとも騙されているのだろうか。  電車を降りたら涼香に連絡することになっていた。 サポートをつけてもらう。 しかし電車を降りた直後、あおいの携帯に着信が入った。  「……!?」 ディスプレーを二度見する。 「……由来?」 『そうだよ、あおい。久し振り』  久し振りに聞いた由来の声は落ち着いていた。 涼香が、娘を誘拐された自分より落ち着いてサポートが出来る由来をサポート役に回したらしかった。  『二人ともいい? 桃ちゃんはトイレに行ったらしい。GPSの映像はあたしがずっと睨み付けててあげる。二人は指示通りに動いて』 「了解」 『まずは新国際線ターミナルへ』 こちらも、懐かしむ暇はなくて。
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