―a Bolt from the Blue―

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 トイレから出てきたところを狙い、あおいと光は待ち伏せする。 しかしトイレ付近は狭く、しかも人が居た。 こちらには人質が居る。 これではあまりにも遣り辛い。  「少し出てきたところじゃないとダメだよっ」 「でも、広いところに出て発砲されたら周りに被害がでちゃう!」  あおいは複雑な気持ちだった。 桃を助けることが最優先だ。 もはや桃の命は桃一人のものではない。 桃でSSCを強請られれば、結果、国家の安全にも関わる。 しかしここで周りに被害を出してはまた大事件になってしまう。 桃をあの女から離すことが出来れば……。  「光、由来、私に考えがある」 桃は脅されているのではなく、騙されている。 だったら、何か理由を付けて騙したのだ。 例えば、家の人が空港に行けと言った、とか。 しかし流石に、道端でそういう風に声をかけたのでは不審者丸出しだ。 桃が信じてしまう状況で、桃が信じてしまう誰かなのだろう。
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