序章

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ポップスターの辺境の地に小さな町があった。 町の名はルーザ。 この町は、ポップスターにある町の中で最も治安の悪い町で有名だった。 窃盗や傷害、酷い時は殺人といった事件が毎日のように多発している。 警察は減るどころか一方的に増える犯罪の捜査などに追われ、休む間もなく次の捜査に入り込んでいた。 そのような繰り返しばかりで、いつしか警察も精神的疲労の蓄積などにより、全く機能しなくなってしまった。 警察の機能が喪失したことを良いことに、犯罪者らの社会的秩序ないし法に背く行為を激化させ、牢屋から罪人を解放させ、さらに町内を混沌へと陥れ、町民はその地獄のような生活を強いられるようになり、家族と心中する者までもが現れるようになってしまった。 人々は願った。 一刻も早くこの悪夢が終わり、平穏な日々が訪れることを。 そして、今町の治安を悪化させるばかりの犯罪者を、一人残らず死刑に処し、執行してくれる者が現れてくれることを……。 しかし、人々のその強き願いは、危険な形として表れるのであった……。
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