序章

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ジャスティスの右宣言により、宣告を受けた当該地域の住人はパニックに陥り、その場から逃れるどころか、今いる所で叫び狂い、あるいは泣き叫んだ。 その時、バタービルディング上空に白い光が発した。 人々は何事かと思い、空を見上げた。 白い、丸い光がある。 あれは太陽だろうか。 太陽は、こんなにも近くに感じられる距離にあっただろうか。 人々は心の中で、そう呟いた。 だが、人々が思っていた太陽は、次第に大きくなっていった。 否、大きくなっているのではない。 どんどん地上に迫ってくるではないか! 「逃げろ!あれは太陽じゃない!」 誰かが叫んだ。 だが、叫んだ時には、もう手遅れだった。 白い光は、バタービルディングと周辺区域を飲み込むかのように覆いかぶさり、そして轟音を立てて大爆発した。 爆発は無情にも幾百、幾千の人命を奪い、建物という建物、辺りの森などの自然を一瞬にして消し飛ばした。 その想像を絶する光景は、テレビを通じて流された。 その映像を見た人々は、ただ呆然と眺めているだけだった……。 そんな人々を嘲笑うかのように、ジャスティスは、 ジャスティス 「愚かなる人類よ!己が犯してきたその罪の数々、ルーザの下賎な犯罪者ども、バタービルディングの住人のように死を以てして償うが良い!」 と、高らかに笑い続けた……。
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