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「で、探偵の何を手伝えばいいの?」
事務所に着くなり私は彼に尋ねた。
「えーっと…まぁ、事務的な雑務とアシスタントかな?」
事務所の扉に気になる文字が刻まれていたので、直に尋ねる。
「で、探偵は探偵でも『心霊探偵事務所』ってどーいうこと?」
心霊探偵事務所
怪しすぎる!!(゜Д゜)
「そのまんまだよぉ」
にこにこと笑いながらお茶を出してくれる。
「怪しいけど…まぁ、暇だからバイトしてもいいよ」
「よかった~。他にあてがなくて困ってたんだ~」
他にあてがない…?
求人募集でもすればいいのに…
心を読まれたかのように彼が言う。
「適性っていうのがあってね、七瀬ちゃんだとばっちりで」
「…ああ、そう。でも、私子供が居るので時間的に無理はできませんけどいいですか?」
何だか腑に落ちない…けど。
何かをしたいと思っていたから、これが変化の一つかもしれないと思う事にした。
「七瀬ちゃん結婚したの?」
「ええ、まぁ…子供を授かってからすぐに主人は事故で亡くなったんですけど…」
「そっか…色々大変だね」
「まぁ、子供とは楽しく生活してますよ」
「へ~。女の子?男の子?」
「男の子です。今は3歳です」
「今可愛い時だね~」
「可愛いけど、大変ですよ(笑)」
「また今度会わせてくれる~?」
「いいですよ」
そんな会話などをしながら、今後の勤務時間やバイト料の話をした。
そして、私のアシスタント生活が始まった…
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