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翌朝、緋史を送ってからそのまま事務所へと揃って行った。
すると、9時だと言うのに事務所の扉の前にお客さんが居た。
「あれ…?田村さん?」
私の声に気付いたのかこちらを向いて軽く会釈をする。
「あれ~?どうしたんですか~?お仕事は?」
「あ、今日はこの辺りを回る予定だったので…少し気になる事があって…」
「まぁ、どうぞ~」
薙さんを先頭に事務所へ入る。
私はコーヒーの準備をする。
「昨日はどうでした?」
「言われた通り、首にかけて寝たら彼女は現れませんでした…」
「それは良かったですねぇ~」
「でも、また違う霊が現れて…」
「また、ですか?」
「はい…」
コーヒーの用意をしている私ですが…
チラチラと見られているような視線を感じます。
盗み見が下手すぎるよ!!田村さん!!
「それが…ここの事務員さんに似た霊で…」
ガチャン
その声に、思わず私はカップを手から滑らせる。
割れてはいない…
「え~?うちの事務員にですかぁ~?」
空とぼけるような言い方を薙さんは先ほどからしている。
でも、何となく分かる…
怒ってる!!!?(・∀・;)
「うちの事務員は別に欲求不満になる事はないと思いますけどぉ~」
2人にコーヒーを出すと、私は事務机へと引っ込む。
その間も田村さんはチラチラと見てくる。
何か、この視線…
前にも感じたような…?
「いえ…事務員さんと言う確証はないんですが…」
「どんな状況だったのか教えてくれますかぁ?」
にこにことコーヒーをすすりながら薙さんが言う。
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