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一番高学年の真華達は
03年だから一番階の低い
02階に教室がある為、
昇降口へも近い。
私は下駄箱からローファーを
取り出した。
「ぉ、」
誰に向けたか知らないが、
隣で誰かが声を発した。
顔を上げると、そこには
同じクラスの、男子では一番
仲の良い
『岸谷 禅(キシタニ ゼン)』がいた。
「もう帰んのか、
帰宅部。」
「まね、教会の方も寄らなきゃ
だから今日は寄り道せず
帰んなきゃいけなーいのよっ」
立ち上がりながら
弾む口調で返事をする。
禅は靴を履き、少し乱暴に
つま先をガシガシと地面に
蹴りつけながら振り返った。
「ふーん、
気をつけてな。」
「禅も部活頑張って」
「ぁ、今度また試合あるんだ。」
「禅は?」
「スタメンに決まってるだろ。」
ニヤッと笑う禅に真華は
笑顔を返す。
「そ、なら予定無ければ
絶対見に行く」
「どーせ彼氏いないし暇だろ、
絶対来いよ」
「うっさい!」と禅が肩に
下げてるエナメルバッグを叩いた。
ムカつくなぁ
私だって作ろうと思えば彼氏くらい……!!
「そ…そんな事、わかんないよー?
土日の間に彼氏出来ちゃうかも」
「そんなの母さんが許しません。」
おばさん口調になった
禅に笑いつつ、二人は
挨拶を交わし別れた。
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