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「休暇、ですか?」
「あぁ。今回の任務はランクが高かったからな。少しは身体を休めると良い。」
「・・・・ありがとうございます。」
いきなり休暇かよ・・・・
呼び出されたから、また新しい仕事かと思ったのに・・・・
「・・・・・でもまぁ・・・・」
丁度良い。あの女に名前でも聞きに行くかな・・・・・・
ピンポーン・・・ピンポーン・・・
無機質な扉の前に立ち、無機質なチャイムを鳴らした。
【ガチャ】
『・・・はい?』
「あ・・・えっと、零崎、紅識・・・です。」
『あぁ、どうしたの?』
「いや、そのぉ、な・・・と、とりあえず、誰か来る前に入れてくれないか・・
・?」
俺がそう言うのとほぼ同時に扉が開いた。
「・・よ、よぉ」
「どうも。入って?」
「あぁ・・・お邪魔します・・・」
相変わらず無機質な部屋・・・
せめてカーテン可愛い色にしてみたり、カーペットひいたりすりゃあいいのに・
・・
「で、なに?」
「ん?あぁ。俺、お前の名前聞いてなかったろ?だから。」
「あぁ・・・」
「恩人の名前くらい知っときたいだろ?」
「私は九重小鳥(ここのえことり)。」
「小鳥な。覚えておく。」
名前は聞けた。
それと同時に、俺はこいつに礼をしなくてはと考えていた。
「(つっても、女が喜びそうなものか・・・)」
紅織ならお菓子だし・・・
「なぁ。」
「なぁに?」
「お前、なんか欲しい物とかねぇの?」
「欲しい物・・・?」
「あぁ。」
「・・・・」
小鳥は少し驚いたような顔をしたが、すぐにまた、いつものように、冷静で冷た
い目になった。
「・・・有るよ。」
「なんだ?」
「くれるの?」
「やれるものだったらな。」
「そう・・・」
そして、溜め込んだ末にあいつが言ったのは・・・
「キミ。」
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