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廃ビルの地下一階、数日前までは咳込むような砂埃が歩く度に蔓延していた。ただでさえ水が貴重なのに不必要に喉を潤さなければならなかった。風の向きを考えダクトを取り付け支障をなくしたのがアレキサンダーのブレーンを担当している金井謙であった。
柳が部屋の隅で身体を休めているとドンガラガッシャンと大音がした。慌てて跳び起きると上はタンクトップでジーンズ、しかも全身泥だらけの美奈子が立っていた。
どうした!? の言葉を遮るように、
「食料調達してきてそこで躓いて転んだだけよ。食料なら食料庫に入れてきたわ。二週間くらいの分量かしら。さっきの音、あれ立て掛けてあった鉄パイプね、後で直しておくわ」
これでずいぶんと助かる。アレキサンダーは小さいチームではあるものの20人の仲間を養っていかなければならない。
リ、リーダーはいるかと転がり込んで来たのは金井であった。
「大変だぜ。アクアパワーがこの辺を調べまわっている」
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