排他的第三地帯

人を危めてしまう事《銃》

アイスフールといっても盗み殺しを中心に動くチームもいる。また、まるで政府の役割を担うかのように吸収しようとしたり締結を試みたり駆逐したりする連中もいる。要は小さな政府を目指しゆくゆくは大きな政府になろうしているわけである。

たいていそのようなチームは大所帯でリーダーも頭がキレるし敵わないので小さなアイスフールは餌食にされる。純然たる正義感と慈悲の心を持って、というのであれば話しは別だが――そんな組織は旧政府にすらまずいなかった――とにかくアクアパワーとは、残虐で有名であった。

見つかるのは時間の問題か……。幹部に声を掛けてくれ。

金井謙、本条美奈子、岩井聡志、津島亮、佐和田敬子、三浦真一郎、そして柳透の７人が集った。

直ぐにここを引き払うか……いやもう遅い……全面戦争、いや勝ち目はないか……降伏……殺されるかよくて奴隷扱いだな……柳は黙って皆の意見を聞いていた。

よし！ 俺と三浦でアクアパワー内に潜り込みリーダーにこの辺からの撤退を強制させる。万が一戻らなくても時間稼ぎにはなる。その隙に皆で逃げるんだ。

納得しない者もいたが多数決が答えを出した。