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「策はあるんだろうな」
路地に隠れ彼らの動向をうかがいつつ三浦がぼそりと口にした。
さあね。
これまで柳が飄々としている場合は失敗したことがない。安心していると、突如柳は三浦の手首を縄で縛り上げた。そしてアクアパワーの巡回兵に、
「やや、ちょっとそこの兵士さま、こいつはこの界隈で盗み殺しの犯罪者で捕まえたのはいいのですがどうしたらいいのか困ってましてね、貴方方にお渡しするのがいいかと」
巡回兵はしげしげと見てから付いてきなさいといった。
詰問されるまで時間のあることは知っていた。柳はこのチャンスを活かした。鍵の掛かったドアを柳が開け、見張りを唐手の達人である三浦が一蹴。延びている見張りを起こしリーダーの居場所を強要した。
そのままリーダーのいる中枢機関へと辿り着く。リーダーは玉座に座ってかのごとく落ち着いており、側近二人が柳と三浦の前に立ちはだかる。
「貴君らは何の用かね?」「お前らの手口は知っている。即刻この第三地帯からの撤退を要求する」
「手口を知っているというなら我輩がどのような態度を示すか分かっているだろうに」
「ああ、そのつもりだ」
柳はナイフを出し、三浦も構えた。
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