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空気が張り詰める。刹那側近二人が銃を向け発砲してきた。
「ふん、俺たちに銃なんかきかねーよ」
柳と三浦は、四方に飛び移りながら間合いを一気に詰め、柳は銃を持っていた手をナイフで突き刺し、相手が態勢を崩した瞬間に喉に蹴りを入れた。三浦は銃を奪うように相手の真横に入り、肘を顔面に入れてから銃を手刀で落とし脇腹へ拳をねじり込んこだ。
柳は一瞬先にリーダーへ向かっていた。そのまま致命傷を負わせようとしたが、悠然と座っていたリーダーはひょいと身を交わし、持っていた杖で鳩尾(みぞおち)に一撃食らわせると足刀で吹っ飛ばした。やおら杖で喉を突き刺そうとしたとき、一発の弾丸がリーダーの胸を貫いた。
三浦であった。しかし彼は震えているようであった。
助かったぜ。
と近付き彼の肩に手を掛けるとやはり小刻みに震えていた。
「どうした!?」
「俺は武道家だ……この拳でというなら覚悟はできていたのだが……」
「もしかして人を殺したのはいまのが初めてか?」
「ああ……」
顔面蒼白の三浦を気遣いながら脱出し皆の待つアジトへ向かった。入口付近まで来たとき三浦が言葉をこぼした。
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