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「・・・奏君。今日、どうして遅れたの?」
後ろから声がかかる
西澤 加奈(にしざわ かな)
俺の一つ後ろの席で、門脇と俺を合わせて三人組でよく一緒にいる。女子の中では気さくなやつで、女子男子区別なく話せる
「・・・別に、単に寝坊
強いて言えば、多分目覚ましをかけ忘れた」
「強いてどころか、モロで原因じゃない?」
「うっせぇ」
まだ眠気が抜け切っていない
目を閉じると、まぶたの裏に自分が吸い込まれる感覚がした
その時、ふと俺は今朝見ていた夢の続きの断片を見た
顔の所がぼやけた、誰か分からない女の子とブランコシーソーで遊ぶ姿。夕方になっても、まだやっている
思い出した
今朝方この夢の中で、俺はずっと遊んでいたんだ
「夢の中で遊び過ぎって、俺はあほか・・・」
「ぅんあほー 奏はアホの子ー」
突然、隣で寝ていた遊人が起き上がって、
俺の方を向いてニタリと笑っていた
こいつ・・・聞かなくて良い事はちゃっかり聞いてやがる
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