No.1

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pm22:00 ……俺の活動開始時刻。 「……ねっむ……。」 怠さの残る体を起こし、洗面所で歯を磨き、髪をセットする。 昨日買ったばかりのスーツに腕を通し、お気に入りの香水をかければ完了…。 外は春と言ってもまだ寒さは、残り吐息を白く染める。 足早に向かうその先は、夜の(9095区)。 俺の周りはみんなそう呼んでる。意味は知らない。だけどニュアンスが合う。だから俺もそう呼ぶ。 イルミネーションの飾られた店が立ち並ぶ、見慣れた街道。 一店だけ、周りの店に不釣り合いな素朴で地味な店。 目的地に足を運び、俺の一日はスタートを切った。 _
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