No.1

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「おはよう!観輝っ」 うきゃんうきゃんと独特な笑い声が響く。 「詩愛、…はよっ」 寝起きでテンションがかなり低い俺。 「眠そうだね…。いつもだけど!」 そう言って、また独特な笑い声を発する。 詩愛の本名は准。職場にたった1人の同い年で気の合う同僚。 「…詩愛、仕事終わったら気合い入れとけ?」 「やっだね~。」 いつものお決まり事。バックルームに行き腰を掛ける。手には缶ビール。 自由なところがこの店の魅力。暇な時は、店にある物は、飲み食いしようと怒られない。 「ぶっ倒れないでくださいね。」 声のする方を見つめれば、長身のスタイルがいい男。 「京弥、おはよー!」 「詩愛、声のボリューム落として下さい。」 詩愛を説教する声…。 京弥は一つ下の後輩で、かなり信頼の厚い奴。ドSなのが苦。 「観輝、飲みすぎです。これからまた飲むんですよっ!」 「大丈夫だ…。俺がぶっ倒れた事あるか?」 酒には強い俺。別に缶ビールぐらいで酔いはしない。 「確かにそうですね…。まぁ体に気をつけてください。」 京弥は飯食いにバックルームを後にした。 _
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