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ピーポー ピーポー...
けたたましい救急車のサイレンで、陸はいつの間にか手離していた意識を取り戻した。
救急車から救護隊員が出てきて、ガヤガヤと集まっている人波を"どいてどいて"と掻き分けながら、こちらに近付いて来る。
"あぁ… 事故でもあったのかな…"
ボンヤリ考えている陸の横を素通りして、救護隊員は一人の青年をタンカーに乗せた。
陸のまだハッキリしない意識の中で、それでも目に映ったのは、
タンカーに運ばれていく、自分の姿。
それでもまだ、夢現な陸。
"運ばれて行ったなぁ…"
自分を乗せたタンカーが救急車に乗り、走り出した救急車が見えなくなったところで、
"…って、ナンデヤネン!!?"
と、一人ボケツッコミをかまして、やっとのところで覚醒した。
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