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"えー…と……?
どーなってんだ? 確か…"
確か放課後、学校で少し眠り転けていた。
少しのつもりが、目が覚めると下校時間の7時を少し過ぎていて、まぁいいかと思いながら帰宅している途中だった。
少し大きな十字路の交差点で信号待ちをしていると、スルリと横から黒猫が通り過ぎた。
黒猫は車が来ないか見ていたのか、少し止まって道を眺め、
それなのに車が来たところをタイミングよく道路に出て行ったので、思わず危ないと猫を抱えたところで…
"ぁー…はねられたのか…"
はねられた時、何だかスローモーションのように周りの時間がゆっくり流れた気がした。
中を舞っている自分を冷静にとらえ、はねられた時より落下した時に大怪我をするという話を思い出して、
とっさに猫が地面に叩き付けられないように腹に抱え、背を丸めた。
"…で、俺の身体は救急車行き、ね…
ってコトは、今のこの姿は…あの時の黒猫…?"
そんなアホな、ベタなと心の中で(とは言っても、どうせ声には出来ないが)悪態をついてみても、
実際問題、自分が猫になってしまっているのには変わりない。
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